検察側が立証の柱と位置づけている関係者の供述調書の大半が証拠として採用されないことで、無罪判決の公算が高まった。
検察側が証拠請求していたのは、上村、倉沢両被告と村木被告の上司だった厚労省元部長ら8人の供述調書計43通。なかでも村木被告の事件への関与を認める内容だった両被告の調書21通の採否が注目された。
横田裁判長は決定理由で、上村被告について、取り調べ中に記した「被疑者ノート」の信用性を認めたうえで、「検察側の意図に沿って誘導された可能性がある」と指摘。「取り調べには問題があり信用できない」と述べた。
倉沢被告については、供述内容の変遷を検証。「検察側に大きな問題があったとまではいえない」としながらも、誘導の可能性を指摘し、「検察側の意図に合わせて作成したことがうかがえる」とした。
また、横田裁判長は凛の会元メンバーの調書も却下。凛の会発起人、河野克史被告(69)=1審有罪、控訴=や厚労省元部長(58)ら5人の調書21通のうち9通だけ採用したが、「信用性の判断は別」と注釈をつけた。
今後は、6月22日に論告求刑、29日に弁護側の最終弁論が行われて結審し、判決は9月中旬にも言い渡される見通し。
【関連記事】
・ 裁判員制後、保釈率が急伸16.9% 捜査当局は懸念
・ 郵便不正 共謀者は有罪…矛盾判決、調書採否が原因
・ 文書偽造「共犯」に有罪 厚労省事件で大阪地裁
・ 郵便不正公判 「凛の会」元会長の一部無罪で検察側が控訴
・ 郵便不正無罪、崩れた検察側構図 厚労省元局長公判も苦境に
・ 虐待が子供に与える「傷」とは?
・ 教員免許制を再検討、養成課程延長も…文科省(読売新聞)
・ 漁船転覆で男性発見、救助=不明女性の捜索続ける―大分(時事通信)
・ 「岡本ホテル」事務所など家宅捜索を開始 出資法違反の疑い(産経新聞)
・ ライター 販売規制へ…安全機能を義務化(毎日新聞)
・ 鳩山首相「社民党には連立の中で頑張ってもらう」(読売新聞)